企業研究をしよう!

最初は絞り込まず、多くの企業の情報を収集しよう。

客観的な分析を!

 ありがちなのが、テレビなどで見かける業界や企業のイメージのままで、企業を理解したつもりになってしまうこと。社名やイメージだけにとらわれずに、客観的に分析しましょう。同じ業界でも、企業によって取り扱う商品・サービスが異なっていたり、働く環境が違う場合もあります。また、あまり知られていなかったり、規模が大きくなくても、業界で高いシェアを獲得していたり、経営が安定している企業は数多くあります。

やりたいことを明確にしよう

 企業選びの基準は人によってさまざまです。例えば「、グローバルに活躍したい」という人と「生まれ育った地元で働きたい」という人では、重視するポイントはもちろん違ってきます。企業研究の最初のステップは、「自分のやりたいこと」を明確にすること。「大学を卒業して社会に出た時、どのように活躍したいか」、さらに「3年後、5年後、どのような人間になっていたいか」など、はっきりとした理想の自分像を持ちましょう。

数多くの企業情報を収集し、気になる企業をピックアップ

 就職情報サイトや新聞、企業のホームページなどを見て、より多くの企業情報を収集し、興味が持てる企業をピックアップしていきましょう。ここでのポイントは、いきなり絞り込みすぎないこと。ついつい、聞いたことのある企業の情報だけを集めてしまいがちですが、それだけでは本当に自分に合う企業を見逃してしまうことになるかもしれません。最初のうちは、幅広く、多くの企業を知ることが大切です。

さまざまな情報を見比べる

 自分が入社する可能性のある企業なので、将来の自分をイメージしながら、一つひとつの企業を徹底的に比較検討しましょう。事業内容や売り上げ、従業員数といったことだけでなく、企業が大切にしている考え方や募集要項、その企業が求める人物像、選考のステップなども確認しておくべきです。この作業にあせりは禁物。時間がかかると思いますが、じっくりと行うことで、自分に合った企業が見つかります。

point ● 長期的な視点で企業を分析しよう。

特定の業界で急成長を遂げている企業もありますが、その企業が5年後、10年後も成長しているとは限りません。長期的な視点で、さまざまな企業を分析すると良いでしょう。

企業を絞り込む

 たくさんの企業を比較検討したら、志望企業を絞り込んでいきましょう。給与などの条件面だけでなく、さまざまな視点で絞り込んでいくことがポイントです。今まで聞いたことがなかった企業でも、魅力的だと感じられる企業は数多くあります。企業研究の段階でそのような企業を見落とさないようにして、次のステップ(エントリーやOB・OG訪問)に進みましょう。

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企業を絞り込む視点(例)

● 自分のやりたいことが実現できるか?

● 理念やビジョンに共感できるか?

● 得意分野や独自の強みがあるか?

● 研修は充実しているか? など・・・

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point ● 志望業界だけでなく、他業界の企業も研究しよう。

志望とは少し違う業界でも、考え方に共感できたり、働き方が自分に合う企業が見つかることもあります。視野を広げ、複数の業界の企業を研究してみると良いでしょう。また、OB・OG訪問などで実際に働いている先輩社員に話を聞くことも、業界・企業研究に大きく役立つでしょう。

よく見る用語の意味を知ろう

フレックスタイム制

 勤務時間を固定せず、自由に始業・終業時刻を決めることができる制度。あらかじめ1カ月間の総労働時間が定められているので、従業員はその時間さえ満たしていれば良いことになります。ただし一般的には、1日の中で勤務が義務づけられる所定の時間帯(=コアタイム)が設けられています。

年俸制

 月々に給料が支払われる月給制に対し、社員の能力や勤務成績など個人の業績に応じて1年単位で賃金総額を決定し、それを月々に分割して支払われるのが年俸制。一般的には前年の業績が反映され、会社との交渉の上で年間給与が決定されます。

グループ募集・グループ採用

 同じグループに属する複数の会社が、募集や採用をグループ単位で一括して行うこと。エントリー受付などの採用窓口が1つになり、選考段階でどの企業を志望するかを聞かれることが一般的です。

財形貯蓄制度

 労働者が会社を通して金融機関に口座を開き、給与や賞与から天引きするかたちで積み立てていく仕組み。契約先の金融機関によって金利は異なりますが、個人契約している預金よりも高くなっています。

OJT

 On the Job Trainingの略称。実際の仕事を通じて、必要とされる知識や技術などを習得させる研修制度のこと。仕事から離れた一般的な研修とは違い、先輩や直属の上司が指導するため、習得スピードも速く効果的です。

EDINET を活用しよう

http://disclosure.edinet-fsa.go.jp

 企業研究の一例として、金融庁のEDINETから上場企業の情報を調べる方法があります。EDINETは、「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」のことで、企業から提出された書類をインターネット上において閲覧できるサイトです。

 有価証券報告書には、企業の概要や沿革、事業内容などの基本的な情報から、生産や受注及び販売の状況や企業の対処すべき課題、事業等のリスクといった情報まで掲載されています。

 特定の企業名を指定して検索できるほか、志望する業種ごとに検索することも可能。企業研究に役立つ豊富な情報がそろっているので、ぜひEDINETを活用しましょう。